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by puyan27

天心と日本美術院の俊英たち(茨城県天心記念五浦美術館)

e0034068_19425126.jpg ちょっとしたきっかけで北茨城を旅行する機会があり、茨城県天心記念五浦美術館を訪れることができました。美術館名に天心とあるように、この美術館は岡倉天心をはじめとして横山大観菱田春草下村観山木村武山など五浦の日本画家に関した美術館のようです。岡倉天心の名前は上野の横山大観記念館を訪れたときに知りました。横山大観の師であり、東京美術学校を開校、校長となったその当時の写真が展示されておりました。横山大観が師と仰ぐ方ってどのような人物なんだろう?って率直に思ったりもしていましたので本美術館に対する興味が当然ながらわき上がったのだと思います。訪れてみると海岸の崖沿いの見晴らしのいいところに立っており、海を一望することができます。岡倉天心はこのような風景に惹かれ、この地に日本美術院を移転したのですね。
 早速、常設展(岡倉天心記念室)からガイドつきで観てまわりました。天心旧邸のうち現存しない書斎部分の復元したものや生い立ちなどの様々な関連資料が展示されておりました。私にとって印象的だったのは天心が国際人であったことです。ボストン美術館中国・日本美術部長に就任するなどして日本とアメリカを行き来しておりました。また、日本の美術・文化を欧米に積極的に紹介する活動を行っていたようです。英文著作「東洋の理想」「日本の覚醒」「茶の本」については興味深くてどのように欧米に紹介しようとしていたのか?天心自身、日本の文化についてどのような考えを持っていたのか?を知りたいと思いました。これらの本について調べたところ日本語版もあるようですのでぜひとも読んでみたいところです。
 常設展には作品も5つほど展示しており、この時は横山大観の「樹下美人」「釈迦」、菱田春草の「菊慈童」、木村武山の「日本武尊」「黒猫」が展示されておりました。どれも見応えのあるすばらしいものばかりでした。木村武山は今回初めて知ったのですが大観、春草らと共に研鑽を積んだだけあってすばらしい作品を描かれてますね。知ることができてちょっとうれしいです(^○^)。
 ひといきついたところで、次の展示室へ向かいました。企画展が開催されており、ちょうど今の期間は「天心と日本美術院の俊英たち」が開催されておりました。よくよく考えると天心が生きていた時代って明治維新が起こり、まさに激動の時代でした。西洋文化が日本に押し寄せてきて、文化的にも従来のものと新しいものがぶつかりあい、混乱状態でなかったのではないかと思います。芸術的には東洋・西洋でどちらが優れているということはないですがお互いに影響を受けることは絶対にあるはずです。特に日本人は西洋コンプレックスが強かったのではないでしょうか。そんな中、天心はそのような影響を受けながらも新たな日本画の模索をしていたのでしょう。それが朦朧体という新たな画法だったようです。伝統的なものを守るだけではなく、新たなものを生み出そうという気持ちはすばらしいことですね。むしろこういった考えはアーティストには欠かせないものではないでしょうか。そんな天心と関わりがあった人々の作品が本企画展に凝縮されているようです。私的には初めて聞く名前の方々も多数あって楽しめました。
 今回の美術館訪問で一番大きく思ったのは実際に作品が創作された場所に行き、その背景等を感じとって作品を観るととても感慨深いものがあるということです。最近読んだ「個人美術館への旅」という大竹昭子著、文藝春秋社の新書はこのことを言いたかったのだなと思いました。好きなアーティストがいるならその人の創作にまつわる場所に実際に触れ、勉強してみるとよいということですね。
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by puyan27 | 2006-11-23 21:19 | 美術館・美術展