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by puyan27

人間国宝 松田権六の世界(東京国立近代美術館工芸館)

e0034068_22425216.jpg NHKのBSでハイビジョン特集「漆聖・松田権六が夢見た世界」が放送されていました。この番組を観たところ数々の蒔絵漆芸による作品の装飾の美しさに驚きを隠せませんでした。前々から行きたいとは思っておりましたが、国立近代美術館工芸館で「漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六の世界」が開催されております。テレビではなく、本物の作品に直接触れたいと思い、早速美術館へ向かいました。
 松田権六氏は過去の作品などから技法を学ぶ(物に学ぶ)姿勢が強かったとのことです。たしかに過去に作られた作品はたくさんありますのでお手本がたくさんあると思えば技術の宝庫ですよね。特にこういった職人の世界の人間には大切なことなような気がします。伝統的に伝わっており、自分が学んだ技法以外にも革新的な技法が眠っているかもしれないと思えばわくわくすることなのかもしれません。上記の番組では実際の製作現場を写していましたので本展覧会を観に行く前の予備知識的なものとしてとても役に立ちました。本物の漆の木から樹液をとっているところや漆を作っているところ、器に筆で描いているところ、金粉を蒔いているところなど様々な製作過程はそうそう見る機会はないでしょう。
 展示されていた作品は数々ありましたが「蓬莱之棚」は圧倒的な存在感でした。戦況が悪化していく中で製作しており、またこの作品への想いも相当強かったとのことです。螺鈿、平文、泥絵など様々な技法がこの作品には集約されているとのことです。鶴の白色の部分がうずらの卵の殻を使っているは意外でした。そして、こういった工芸品は絵画とは違い、立体的ですので様々な角度から見ても表情が異なるところがこれまた面白いです。
 中尊寺金色堂の修復に責任者として関わっていたというのもはじめて知りました。3年くらい前に中尊寺を訪れた時は金色堂を見ると柱の装飾よりは全体の金色のまばゆさに目を奪われてしまってたような気がします。次回訪れる機会があったならぜひともじっくりと忠実に復元された柱の装飾部分を観てみたいです。
 テレビで松田権六氏がインタビューに答えていた「私は天才じゃない。凡人は訓練によって続けることによって成果があがる。」という言葉はとても印象深く、その努力の結果がこの作品たちに表れており、すばらしい展覧会でした。
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by puyan27 | 2007-02-03 22:41 | 美術館・美術展